徒手療法とは?世界の定義と「痛い場所だけを見ない」考え方、整体との関係を岩槻の整体院が解説
徒手療法とは、何ですか?
徒手療法とは、器具ではなく手を使って、関節・筋・神経などの体の状態を確かめ、動きや痛みに働きかける方法の総称です。
英語では「マニュアルセラピー(manual therapy)」と呼ばれ、理学療法、オステオパシー、カイロプラクティックなど、さまざまな分野で使われてきました。日本では病院のリハビリテーションで行われることが多く、整体院やスポーツの現場でも、その考え方が取り入れられています。
ただ、世界の徒手療法は「手で押したりほぐしたりする技術」のことだけを指すわけではありません。いま世界で共有されているのは、どこを、なぜ、どう扱うかを、その人に合わせて考えるという考え方です。
世界では、徒手療法はどう定義されていますか?
理学療法士の徒手療法の国際団体IFOMPT(国際整形徒手理学療法士連盟、1974年設立)は、2004年に、神経・筋・骨格の不調を臨床推論にもとづいて手技と運動療法で扱う専門分野と定義しています。
この定義の中で大切な言葉が2つあります。1つは臨床推論(その人の経過や体の状態から仮説を立て、確かめながら進める考え方)です。もう1つは生物心理社会モデル(体だけでなく、気持ちや生活、仕事の状況まで含めて人を見る考え方)です。決まった手順を全員に当てはめるのではなく、その人に合わせて考える、ということです。
さらに2024年には、米国の研究者グループが学術誌『Physical Therapy』で現代版の定義を発表しました。この論文は、徒手療法が「寝ているだけの受け身のケア」と誤って分類されたり、運動療法と対立するものとされたりしやすいことを指摘し、実際は本人も参加する、人を中心にした体系的な方法だと説明しています。
徒手療法は、マッサージや運動療法と何が違いますか?
徒手療法は、手を使うという点ではマッサージと似ていますが、体を確かめて理由を考え、必要なら運動まで組み合わせる点が違います。
| 比べること | 徒手療法 | マッサージ | 運動療法 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 動きや痛みの理由を探し、体の状態に働きかける | 筋のこわばりをほぐす、疲れを和らげる | 自分で動いて、体の使い方や力をつける |
| 誰が動かすか | 施術者が手で動かし、必要なら本人も動く | 施術者が手でほぐす | 本人が動く |
| 確かめること | 関節・筋・神経の状態、離れた部位とのつながり | こっている場所 | 動き方、力の入り方 |
| 組み合わせ | 運動や説明と組み合わせるのが基本 | 単独で行うことが多い | 徒手療法と組み合わせることも多い |
日本では、あん摩マッサージ指圧は国家資格の仕事です。整体とマッサージの違いは整体とマッサージの違いの記事にまとめています。
なぜ、痛い場所だけを見ないのですか?
痛い場所と離れた部位の不調が、症状に関わっていることがあるからです。この考え方を「部位の相互依存」と呼びます。
部位の相互依存(regional interdependence)とは、一見関係のない離れた部位の不調が、主な症状に関わったり結びついたりしている可能性がある、という考え方のことです。2007年に米国の理学療法士Wainnerらが提案し、2013年には同じグループが、筋や骨格だけでなく、神経の働き、心理や生活、体と内臓のつながりまで含む考え方に広げました。
体のつながりは、解剖学からも説明できます。『筋骨格系のオステオパシー』(第3章「筋骨格系オステオパシーの解剖学的な基礎知識」)は、呼吸に使う横隔膜が上下の多くの筋膜とつながっていること、胸のあたりの動きが少ないと首や腰の境目に負担が集まるとされること、骨盤は腰と股関節とひとまとまりで働くことを説明しています。たとえば腰がつらい人でも、胸や股関節の動きを確かめる必要があるのは、このためです。
内臓も、体のつながりの一部です。『オステオパシー内臓マニピュレーション』は、内臓が膜や靱帯で互いに、また骨や筋とつながり、関節のように決まった方向と範囲の中で動くと考えるモデルを紹介しています。ただし、内臓に対する手技は、研究による裏付けがまだ十分ではない分野です。整体院でできるのは、内臓まわりの動きや呼吸のしかたを確かめるところまでで、内臓の病気を見つけたり、良くしたりすることではありません。
手で触れることで、なぜ痛みや動きが変わるのですか?
手で加えた刺激は、筋や関節の形を直接変えるだけでなく、神経の反応を通して痛みや動きを変えると考えられています。
米国の研究者Bialoskyらが2009年に発表したモデルでは、手技による力学的な刺激が、末梢神経・脊髄・脳(脊髄より上)の反応を次々に引き起こし、それが痛みの変化につながると説明されています。脳の働きについては、『カンデル神経科学』(第20章「痛み」)も、痛みの感じ方は脳の中で生まれて調節され、脳から脊髄へ向かう下行性の抑制(痛みの信号を弱めるしくみ)があることを説明しています。
つまり、徒手療法で「脳」や「神経」を見るのは特別なことではなく、世界の主流の説明に入っている視点です。一方で、手技だけで体の動かし方のクセが書き換わるわけではないため、多くの場合は運動や体の使い方の練習と組み合わせます。
オステオパシーの考え方とは、どういうものですか?
オステオパシーは、体を部分ではなく一つのまとまりとして見る徒手療法の流れで、4つの原則を大切にしています。
『筋骨格系のオステオパシー』(第1章「筋骨格系オステオパシーの歴史」)によれば、創始者のアンドリュー・テイラー・スティルは1874年に施術の基本的な手順をまとめ、1892年に米国ミズーリ州カークスビルに学校を設立しました。オステオパシーで広く知られている原則は、次の4つです。
- 体は一つのまとまりである(体・心・精神を含む)
- 体には、自分で調整し、健康を保つ力がある
- 体の構造と働きは、互いに影響し合っている
- 施術は、この3つの理解にもとづいて行う
米国ではオステオパシーの医師(D.O.)という資格があり、国によって制度が大きく異なります。日本にはオステオパシーの国家資格はありません。
整体と徒手療法は、どういう関係ですか?
整体は日本の民間の手技で、国家資格ではありませんが、院によっては徒手療法の考え方を取り入れて施術しています。
ここで注意したいのは、IFOMPTの定義は理学療法士の専門資格の基準だということです。整体院が「国際基準の資格」を持っているわけではありません。整体院を選ぶときは、言葉の響きよりも、施術の前に話を聞いて体を確かめるか、なぜその施術をするのかを説明してくれるか、施術のあとにもう一度確かめるか、という進め方を見るのが確実です。
岩槻の整体Re.Lifeでは、徒手療法の考え方をどう取り入れていますか?
岩槻の整体Re.Lifeは、東岩槻駅北口から徒歩約1分にある完全個室の整体院で、徒手療法の考え方にもとづき、痛い場所だけでなく全身のつながりから、肩こりや腰痛が戻る理由を探しています。
| 見る視点 | 確かめること |
|---|---|
| 筋肉・関節 | こわばり、関節の動く範囲、左右の差 |
| 内臓まわり | お腹や胸まわりの動き、呼吸のしかた |
| 神経(脳)の働き | 動かしたときの感覚、バランス、体の使い方のクセ |
| 運動連鎖 | 痛い場所と離れた部位(胸・股関節・足など)とのつながり |
施術の前に体を確かめ、施術し、同じ動きでもう一度確かめて、分かったことをご説明します。体の使い方の練習が必要な方にだけ、マシンピラティスを取り入れています(整体とピラティスの選び方の記事)。担当するのは、施術歴12年、プロフットサルチームのトレーナーとして帯同した院長です(院長紹介)。初回は60分4,980円(税込)で、料金は料金・通い方のページをご覧ください。
徒手療法や整体を受けないほうがいいのは、どんなときですか?
強い痛みやしびれ、発熱がある、けがの直後、急に悪化している、といった場合は、整体や徒手療法より先に医療機関に相談してください。
整体院では検査ができず、病気の診断もできません。すでに通院中の方は、担当医の指示を優先してください。施術を続けても悪化する、変わらないという場合は、施術をやめて医療機関で調べることが厚生省の通知(医事第58号)でも求められています。
よくある質問
徒手療法は痛いですか?
方法によって違います。強い力で押すものばかりではなく、ゆっくり動かしたり、軽く触れたりする方法も多くあります。痛いと感じたら、その場で伝えてください。
徒手療法は、誰が行うものですか?
海外では理学療法士、オステオパシーの施術者、カイロプラクターなどが行い、国によって資格制度が違います。日本では病院の理学療法士のほか、整体院でも考え方を取り入れて施術しています。
内臓を直接もんだり押したりするのですか?
岩槻の整体Re.Lifeでは、お腹や胸まわりの動きや呼吸のしかたを確かめることはありますが、内臓の病気を見つけたり良くしたりすることはできません。気になる症状がある場合は、医療機関を受診してください。
筋膜リリースも徒手療法ですか?
はい、手で筋膜(筋を包む膜)に働きかける方法は、徒手療法の一つに含まれます。詳しくは筋膜リリースの記事にまとめています。
参考文献
- 『OMPT Definition』 International Federation of Orthopaedic Manipulative Physical Therapists(IFOMPT)、2004年3月 総会で採択神経・筋骨格系の不調を、臨床推論にもとづき、手技と運動療法を含む個別の方法で扱う理学療法の専門分野。科学的・臨床的根拠と、一人ひとりの生物心理社会的な状況にもとづいて行うという定義
- 『Orthopaedic Manual Physical Therapy: A Modern Definition and Description』 Silvernail JL ほか、Physical Therapy 104巻6号(2024年)徒手療法は受け身のケアと誤って分類されたり、運動療法と対立するものとされたりしやすいが、体系的で能動的な、人を中心にした方法であるとする現代版の定義
- 『A regional interdependence model of musculoskeletal dysfunction』 Sueki DG, Cleland JA, Wainner RS、Journal of Manual & Manipulative Therapy(2013年)離れた部位の不調が主な症状に関わりうるという考え方(Wainnerら 2007年)を、筋骨格・神経生理・生物心理社会・体性内臓の複数の系の働きとして広げたモデル
- 『The mechanisms of manual therapy in the treatment of musculoskeletal pain: a comprehensive model』 Bialosky JE ほか、Manual Therapy 14巻5号(2009年)手技による力学的な刺激が、末梢・脊髄・脳(脊髄より上)の神経の反応を次々に引き起こし、それが痛みの変化につながるというモデル
- 『筋骨格系のオステオパシー』 第1章「筋骨格系オステオパシーの歴史」・第3章「筋骨格系オステオパシーの解剖学的な基礎知識」スティルが1874年に施術の手順をまとめ、1892年にカークスビルに学校を設立したこと。横隔膜が多くの筋膜とつながること、胸の動きが少ないと首や腰の境目に負担が集まること、骨盤は腰と股関節とひとまとまりで働くこと
- 『オステオパシー内臓マニピュレーション』 「4つの治療概念について」内臓も腸間膜や靱帯で互いに、また運動器とつながり、決まった方向と範囲の中で動くと考えるバラルのモデル
- 『医業類似行為に対する取扱いについて』 厚生省健康政策局医事課長通知 医事第58号(平成3年6月28日)施術を続けても症状が悪化・軽減しない場合は施術を中止し、医療機関で精査を受けること
- 『カンデル神経科学』 第20章「痛み」痛みの知覚は大脳皮質のしくみで生じて調節され、脳は下行性の抑制系によって脊髄から脳へ伝わる痛みの情報を弱められること
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の症状の診断・治療を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
※ 本記事は、AIを使って下書きを作成し、体の仕組みの説明は専門書(参考文献)で確認したうえで、院長が内容を確認して公開しています(確認日 2026-11-07)。
